IPC マンスリーレポート 6月号

IPC-9797改訂A版リリースとプレスフィット規格の最新情報

このほど、IPC-9797『車載要件およびその他高信頼性用途のプレスフィット規格』の最新となる改訂A版の日本語版がリリースされました。IPC-9797は、プレスフィットピンの要求事項および許容基準に関する、業界で唯一の合意に基づく規格であり、はんだを使用しないプレスフィットピン接続に関する材料、方法、試験、および受け入れ基準が記載されています。

規格策定にあたった共同副委員長の一人、エリカ・クランダル氏によれば、「プレスフィット技術は1970年代に通信業界で採用が始まりましたが、IPCの委員会で、多様な過酷環境に耐えることができ、安全性と機能性の両立を想定した議論を行ったことにより、自動車産業をはじめ、高信頼性が求められる分野でも普及、採用が進んでいます。ハンドブック(IPC-HDBK-9798『車載要求事項およびその他高信頼性用途のプレスフィット規格のためのハンドブック』)では、規格に関する詳細な情報や説明を補足しており、あわせて活用いただきたい」とのことです。エリカ氏のエッセイは、『IPC Community』(https://ipccommunity.org/)、2023年秋号にてお読みいただけます。

IPCトレーニングの予定

  • 7月8日(火)~10日(木) J-STD-001CIS 新規トレーニング 於:東京会場
  • 8月19日(火)~22日(木) IPC-7711/21CIS 新規トレーニング 於:東京会場
  • 9月2日(火)~4日(木) J-STD-001CIS 新規トレーニング 於:名古屋会場
  • 9月9日(火)・10日(水) J-STD-001CIS及びIPC-7711/21CIS 更新トレーニング 於:東京会場
  • 9月11日(木)・12日(金) J-STD-001CIS及びIPC-7711/21CIS 更新トレーニング 於:東京会場

※この他の開催予定は、「こちら」でご確認ください。

※初めてスペシャリスト資格の取得を目指す方は、「人材開発支援助成金」の活用もご検討ください。「人材開発支援助成金」は、厚生労働省が提供する助成金プログラムです。

IPC開催イベント

第2回東京ラウンドテーブル開催レポートとサプライチェーン強靭化

IPCの社長であるジョン・ミッチェル氏や同副社長CTOのマット・ケリー氏などが来日し、政府関係者やエレクトロニクス産業を中心とする企業からの参加者と、世界的変化の中でのサプライチェーン強靭化について意見を交わしました。
トランプ政権の関税措置により、グローバルなサプライチェーンに依存するエレクトロニクス産業は深刻な危機に直面しています。IPCの側からは、半導体の先端的なパッケージング技術(AEP)などを切り口に、危機を乗り越えるため日本企業に期待される役割が紹介されました。
諸提言の背景としては、IPCが2025年5月にTechSearch Internationalと共同で発表した報告書『米国は先頭を走れるか:グローバル半導体競争における主導権争い』(LEAD OR LAG: THE U.S. IMPERATIVE IN THE GLOBAL CHIP RACE)が参考になります(原文は以下のURLよりダウンロードできます:https://bit.ly/3GWbsLf)。
米国のみならず、世界各国の半導体産業への政策的支援と投資状況も分析されており、グローバル・サプライチェーンにおける機会を探るための示唆も得られます。

IPCはんだ付けコンテスト2025、日本予選も募集開始

IPCでは、世界中の様々な展示会などの会場にて、はんだ付けコンテスト(Hand Soldering Competition)を主催しており、世界中のはんだ付け技術者が世界の最前線で活躍できるよう支援しています。
世界大会(今年は11月にドイツ・ミュンヘンで開催予定)への切符をかけ、各国・地域の予選大会では、指定された時間内でプリント基板にはんだ付けを行い、IPC-A-610ならびにJ-STD-001による品質判定、およびIPC-7711/21によるリワークの手順と品質の高さを競い合います。
これまで欧州や豪州などで地域予選が開催されてきましたが、いよいよ日本大会についてもエントリーが開始となりました。
担当者によれば、これまで以上にIPC規格への正しい理解が重要になるとのことです。
下記URLより募集概要などをご確認いただき、今年も多くの方にエントリーいただければ幸いです。
https://www.japanunix.com/news/ipc_hsc2025/