宇宙・航空産業

宇宙・航空産業向け追加規格

地上とは使用環境が大きく異なる宇宙・航空産業で使用されるエレクトロニクス製品では、一般基準に加えて、産業特化した追加基準が採用される。NASAやBoeingをはじめ、グローバルの宇宙航空関連企業が標準化に関与し、各社の品質要求として使用している。

ドキュメントの関係性と従属性

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航空宇宙用途向けを含む、産業別追加規格の要求事項は、基本文書のクラス3を補完する、もしくは置き換えるものである。 従って、追加規格単体での使用はできない。

各基本文書と併せて開発し、各リビジョンコードの後に、宇宙航空向けは、”S”、自動車産業向けは、”A”が記載される。
(例)
J-STD-001GS:001Gの宇宙航空向け追加規格
IPC-6012DS:6012Dの宇宙航空向け追加規格

※ 追加規格は、単独の文書として使用するものではない
※ 基本文書と追加規格のリビジョン(版)は同一であること

航空宇宙用途向け追加規格

IPC-A-620xS
ワイヤーハーネス組立

IPC-6012xS:
リジッドプリント板の認定および性能仕様 ~宇宙・軍用アビオニクス用途向け追加規格~

本追加規格は、宇宙および軍用アビオニクス向けの用途において、振動、地上試験および熱サイクル環境に耐え得ることが求められるプリント板の信頼性を確かなものとするよう、IPC-6012への追加要求事項、または、代替事項として適用される要求事項を提供するものである。

基本文書について

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IPC-6012xS日本語版

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最新日本語版:
6012ES
更新年:
2020年、全20ページ
IPC-6012 Aerospace Addendum Task Group 抜粋
Alisha Amar, Lockheed Martin Space Systems
James Blancher / Charles Gamble, NASA Marshall Space Flight Center
Robert Cooke, NASA Johnson Space Center
Kelly Daniluk, NASA Goddard Space Flight Center
William Dieffenbacher, BAE Systems
Pierre Goutorbe, Airbus / Clifford Maddox, Boeing Company
William Ortloff, Raytheon Company / Vicka Hammill, Honeywell Inc.
Jose Rios, Massachusetts Institute of Technology (MIT) 他

参考例:
IPC-6012D 3.3.3 ホール内のめっきボイドおよびコーティングボイド

表3-7 ホール内のめっきボイドおよびコーティングボイド(IPC-6012Dより)

材料 クラス1 クラス2 クラス3
仕上処理コーティング ホール全数の15%を超えない範囲で、ホール1箇所あたり5個のボイドは認められる。 ホール全数の5%を超えない範囲で、ホール1箇所あたり3個のボイドは認められる。 ホール全数の5%を超えない範囲で、ホール1箇所あたり1個のボイドは認められる。

3.3項の要件に従って目視検査(断面観察ではなく)する場合、めっきボイドおよびコーティングボイドは、表3-7にて認められた基準を超えないこと。

IPC-6012DSにより、クラス3の基準が置き換わっている。

表1 IPC-6012DS 宇宙・軍事用アビオニクス用途の要求事項

IPC-6012
参照番号
宇宙・軍事用アビオニクス用途の要求事項(本追加規格による変更内容) 試験頻度
3.3.3 ホール内のめっきボイドおよびコーティングボイド
IPC-6012Dの3.3項に従って目視検査(断面観察ではなく)する場合、 ボイドおよびコーティングボイドは認められない。
プリント板単位

J-STD-001xS: はんだ付される電気および電子組立品に関する要求事項 ~宇宙・軍事用途向け追加規格~

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本追加規格は、宇宙および軍事向け等の用途において、振動や熱サイクル環境に耐え得ることが求められる「はんだ付される電気・電子組立品」の信頼性を確かなものとするよう、既刊のJ-STD-001への追加要件、または場合により、代替事項として適用される条件を提供するものである。
本追加規格は、高信頼性を要求する他産業、例えば、自動車・車載、船舶、インフラ設備等でも採用されることがある。

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J-STD-001xS日本語版

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最新日本語版:
001GS
更新年:
2018年、全28ページ
J-STD-001 Aerospace Addendum Task Group 抜粋
Garry McGuire, NASA MSFC
Eerik Bjerke, BAE Systems
Karl Mueller, Boeing Company
Steven Perng, Cisco Systems Inc.
Israel Montano, Continental Automotive
Milea Kammer, Honeywell Aerospace
Toshiyasu Takei, Japan Unix
Ben Gumpert, Lockheed Martin
Ge Wang, Northrop Grumman Aerospace
Donna Spruill, Raytheon Company
David Adams, Rockwell Collins
Gaston Hidalgo, Toyota Motor NA
Daniel Koss, TTM Technologies
Michael Moore, U.S. Army
David Johnson, U.S. Force
Scott Meyer, UTC Aerospace system

参考例:
J-STD-001G 5.5 端子へのはんだ付

はんだフィレットは、リード/ワイヤーを端子と接合すること。180°またはそれ以上の巻き付けがあるリード/ワイヤーは、巻き付け面の75%以上にて、良好なはんだぬれを示すこと。
180°未満に巻き付けされるストレートスルー端末部またはリード/ワイヤーは、端子接触面でリード/ワイヤーの100%の良好なはんだぬれを示すこと。

リード/ワイヤーとポスト接触面のはんだぬれは、表5-10に準拠すること。

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はんだフィレットは、ワイヤー/リードを端子と接合しており、端子接触面でリードの100%のぬれを示すこと。ワイヤーと端子接触面における、ぬれたはんだのくぼみは、25%Rを超えてはならない。

J-STD-001GSでは、はんだフィレットは、ワイヤー/リードを端子と接合することに加え、端子接触面でリードの100%ぬれを示すことを要求している。