IPC マンスリーレポート 10月号

『IPC標準規格の最前線』
「IPC J-STD-004」最新リビジョンD、日本語版がリリース

IPC J-STD-004『はんだ付用フラックスに関する要求事項』は、電子機器の高信頼性はんだ付けに欠かせないフラックス材料の分類および試験方法を体系化した国際規格です。
民生品の他、自動車や産業機器など、幅広い分野での信頼性確保に役立てられています。
液体やペースト、クリームなど多様な形態を対象とし、活性剤の種類や残渣特性などの観点から性能を規定しています。
国内外のサプライチェーンにて共通基準として活用可能な規格です。

マグナ・エレクトロニクス(張家港)、オートモーティブQML認証を取得

グローバル・エレクトロニクス・アソシエーション(GEA)は、昨秋より、従来のIPC-J-STD-001およびIPC-A-610に基づくQMLプログラムに加えて、車載用途向け追加規格に基づく認証サービスをスタートしました。
この第一号取得企業となったのが、中国・江蘇省で操業するマグナ・エレクトロニクス(張家港)有限公司です。
総経理である周明業氏は、認証取得について「グローバル品質戦略を力強く裏付けるだけでなく、プロセスの一貫性や技術的詳細、予防的メカニズムに関して実践的な示唆に富むプログラムであり、リーン生産やプロセス最適化の支援に大変役立った」と評価しています。
日本では、一昨年よりIPC-J-STD-001およびIPC-A-610に基づくQMLプログラムの提供が開始されています。
GEAのQMLプログラムは、エレクトロニクス業界全体の標準化管理と品質管理の進展を支援することをミッションに掲げて展開されており、日本でも今後ますますの活用が期待されています。

IPCトレーニングの予定

  • 11月11日(火)・12日(水) J-STD-001CIS及びIPC-7711/21CIS 更新トレーニング 於:東京会場
  • 11月18日(火)~22日(金) IPC-7711/21CIS 新規トレーニング 於:東京会場
  • 12月2日(火)~4日(木) J-STD-001CIS 新規トレーニング 於:熊本会場
  • 12月9日(火)・10日(水) J-STD-001CIS及びIPC-7711/21CIS 更新トレーニング 於:東京会場
  • 12月16日(火)~18日(木) J-STD-001CIS 新規トレーニング 於:東京会場

※この他の開催予定は、こちら(https://training.ipcstore.jp/schedule/)よりご確認ください。

※初めてスペシャリスト資格の取得を目指す方は、「人材開発支援助成金」の活用もご検討ください。「人材開発支援助成金」は、厚生労働省の提供する助成金プログラムです。

グローバル・エレクトロニクス・アソシエーション(GEA)開催イベント

IPC Works Asia in 台湾、「IPC規格が鍵を握るスマートファクトリーの進化」

GEAは8月下旬、展示会「Automation Taipei 2025」の会期中に、「IPC Works Asia – AI and Factory of the Future」と題するセミナーを開催しました。
AIとデジタルツインを活用したスマートファクトリーの最新事例、IPC-CFX-2591やIPC-HERMES-9852といった規格書の導入効果、AI検査による品質保証の革新、サプライチェーン強靭化に向けたAI活用などが紹介され、60社80名ほどの参加者が熱心に耳を傾けました。
GEAは、「電子組立品に関する基準の統合」「AI関連の品質保証」「持続可能性」「人材育成」を今後の重点領域として言及。台湾をスマート製造の国際的モデルと位置付け、電子産業の持続的発展を支える取り組みを強化していく方針です。

第5回IPC Day EMS Europe、パリにて開催

このほど、2025年9月18日(木)に「第5回IPC Day EMS Europe」がフランス・パリで開催されました。
当日は不測の交通ストライキに見舞われたものの、会場は満席となり、欧州EMS・PCB業界の主要150社以上が集いました。
本イベントは、産業界が一堂に会し、業界の未来を語り合う大規模な国際カンファレンスとなりました。

冒頭のパネルディスカッションでは、「不確実性の時代に必要なのは、市場を深く理解し、スピード感を持って行動し、柔軟に対応すること」というメッセージが共有されました。
続く各セッションでは、業界動向に関するデータ豊富な分析先端パッケージング技術の紹介が行われました。
また、ブリュッセルでのアドボカシー活動の進展も報告され、欧州PCB産業基盤の再構築の必要性が強く訴えられました。