はんだ付・リワーク

001 (はんだ付)

IPC J-STD-001 : はんだ付される電気・電子組立品に関する要求事項

電子機器の組立及びはんだ付品質基準に関する総合規格

IPC J-STD-001の要件は、電子部品組み立て製造において、他に類を見ない業界標準として注目を集めている。本規格は、高品質なはんだ付を実現するための材料やメソッドおよびその検証・品質基準について示している。IPCは、この重要な標準規格を策定するにあたり、世界各国の企業からの数百の要求事項を受け取った。その結果、J-STD-001は、従業員のはんだ付スキルを向上させるツールとして、多くの企業にグローバルで採用されている。J-STD-001認証資格はこちら

アメリカ航空宇宙局(NASA)でも、従来の独自規格を変更し、NASA認定のはんだ付け(ソルダリング)規格として、J-STD-001の適用を発表しています。公式レターは、こちら(PDF)

本規格の、宇宙航空等の高信頼性アプリケーション用途の追加要件、IPC J-STD-001GSの日本語版は、こちら

IPC-J-STD-001の規格概要

本規格は、電子組立品を製造するためのはんだ付の実践方法と品質に関する要求事項を規定している。従来、電子組立品(特に、はんだ付)規格には、原理と技術を中心にした、より包括的なチュートリアルが含まれていた。この文書の推奨事項と要求事項を完全に理解するためには、IPC-HDBK-001、IPC-A-610との併用でより深い知識が得られる。

許容条件の基準

本規格は、はんだ付される電気および電子組立品を製造するための材料、方法及び受け入れ品質基準を記述する。この文書の意図は、製品の製造中一貫した品質水準を保証するプロセス制御方法を確保することである。

J-STD-001H (改訂内容)

001Hにおける重要な変更点

IPCのJ-STD-001Hでは、過去25年以上、要件変更の無かったはんだ付工程の清浄度(イオン残渣の評価試験方法)において重要な改訂を行った。長年にわたり、軍事用途の標準書(MIL-STD-2000、J-STD-001等)では、 ROSE 試験(溶媒抽出剤の固有抵抗による、イオン性表面汚染の検出と測定: M 2.3.28Tに該当)を用い、NaCl等価重量1.56μg/cm2とするイオン性清浄度要件に満足することを要求してきた。しかし、1970年代に開発された一律的なROSE試験の1.56μg/NaClという値は、もはや許容可能を判断する客観的証拠として見なされず、”時代遅れである”との結論に至った。そのため、高信頼性な製造工程では、本改訂を用いた清浄度要件が推奨される。

イオン性清浄度要件における、国際的な見直し

J-STD-001Hでは、変更背景をレポートしたホワイトペーパー「IPC-WP-019A:イオン性清浄度要件における、国際的な見直しの概要」が付随する。ROSE 試験に対する最大の誤解は、この試験が示す1.56 またはそれ未満という数値によって合格した場合、その組立品は「清浄」または「許容可能」であるとし、また、試験結果が1.56 以上の場合は、その組立品は「汚染している」または「不合格品」であるという当然の想定の下に、この試験が「清浄度試験」としてしばしば見なされることである。正しく判断されるケースは多くないのが現状である。

IPC J-STD-001(H版) のサンプル

j-std-001目次1
目次1
j-std-001目次2
目次2
j-std-001目次3
目次3
最新日本語版バージョン:H
更新年:2020年
全108ページ

J-STD-001 タスクメンバー 抜粋
James Maguire (Intel Corp.)
Sammy Yi (Flextronics)
Joseph Kane (BAE Systems)
Juan Gamboa (Cisco Systems)
Benny Nilsson (Ericsson AB)
Takei Toshiyasu (Japan Unix)
Timothy Pitsch (Plexus Corp.)
Megan Shelton (Siemens)
John Norton (Xerox Corp.)
他多数

クラス3の許容条件のサンプル

L型リボン・リード

L型リボン・リード

最小フィレット高(F)は、はんだフィレット厚さ(G)+25%リード高(H)以内。〇か×か?

〇: (G)+25%(H)以内または、(G)+0.5mm以内

最小先端部接合部幅(C)はリード幅(W)の50%である。〇か×か?

×: (W)の75%又は(P)の75%どちらか小さい方

高プロフィール構成部品

高プロフィール構成部品

最小端部接合部幅(C)は、成端部幅(W)の75%あれば良い。〇か×か?

×:C=Wであること

最大側面突出(A)は成端部幅(W)の25%までは許容される 。〇か×か?

×:許容されない