電子基板のCO₂排出量を減らすには?材料と製造方法から考える低炭素PCB

2026年10月29日
イベントレポート
Udo Welzel氏(Robert Bosch GmbH)

IPCオートモーティブセミナー2026

持続可能なモビリティエレクトロニクスと
低炭素PCBソリューション

講演者:Udo Welzel氏・Robert Bosch GmbH

当日参加できなかった方へ、「IPC Works ASIA 2026 オートモーティブセミナー」で、BoschのUdo Welzel氏が取り上げた講演をもとに、電子基板の材料や製造方法を見直す低炭素PCBの取り組みを、資料と図解でわかりやすく解説します。

この記事でわかること

電子基板のCO₂排出量を、次の3つの視点から解説します。

  • 排出量の内訳 — 小さな半導体の環境負荷が大きい理由
  • 材料と製造技術 — PCBの低炭素化につながる3つのアプローチ
  • 削減効果の比較 — 数値を読むときに確認したい算定条件

自動車の脱炭素化というと、電気自動車(EV)への移行や燃費改善を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。確かにEVは走行中に排気ガスを排出しません。しかし、自動車が完成するまでには、さまざまな材料や部品が製造され、その過程で多くのエネルギーが使われています。

自動車の環境負荷を減らすには、走行時だけでなく、電子部品や電子基板を「作るとき」に発生するCO₂にも目を向ける必要があります。

Robert Bosch GmbH(Bosch)のMobility Electronics部門は、電子部品の材料選択や製造方法から、製品の再使用・リサイクルまで含めた取り組みを進めています。本記事では、講演「サステナブルモビリティエレクトロニクスと低炭素PCBソリューション」をもとに、自動車エレクトロニクスの脱炭素化に向けた技術と、その可能性を紹介します。

1. 電子部品の重さとCO₂排出量は比例しない

自動車に搭載される電子制御ユニット(ECU)は、エンジンやブレーキ、バッテリーなどを制御する小さなコンピューターです。その内部には、半導体、プリント配線板(PCB)、コンデンサや抵抗器など、多くの電子部品が組み込まれています。

ECUの中には、基板と電子部品がある

車載ECUの説明用イメージ

車載ECU

車の機能を制御する小さなコンピューター

プリント配線板の説明用イメージ

PCB

電子部品を載せ、電気的につなぐ

QFNパッケージの表面と裏面の説明用イメージ

半導体パッケージ(QFN)

裏面中央のサーマルパッドで放熱する

これらの部品を製造する過程でも、温室効果ガスが排出されています。材料を用意し、部品や基板を作り、ECUに組み立てる。それぞれの段階で、エネルギーや資源が必要になります。

自動化設備が並ぶ電子機器の製造現場の説明用イメージ

電子機器の製造現場を表した説明用イメージ

「作るとき」の環境負荷にも目を向ける

  1. 材料を用意する
  2. 部品・基板を作る
  3. ECUに組み立てる

完成した製品だけでなく、その前段階で使われる材料やエネルギーまで確認することが重要です。

製品の環境負荷を測る「PCF」とは

こうした環境負荷を考えるうえで知っておきたいのが、PCF(Product Carbon Footprint:製品カーボンフットプリント)です。

PCFは、製品の原材料調達、製造、輸送、使用、廃棄など、対象とするライフサイクルで発生する温室効果ガスを、CO₂に換算して表したものです。

例えば、同じ機能を持つ電子基板でも、使う材料や製造方法によって、製造時に排出されるCO₂の量は異なります。その違いを数値化すると、どの材料や工程を改善すれば環境負荷を効果的に減らせるかを検討できます。

原材料となる金属や鉱石

01 原材料調達

電子部品を製造する工場

02 製造

部品や製品を輸送するトラック

03 輸送

製品を自動車に搭載して使用する段階

04 使用

使用後の電子基板の廃棄・回収

05 廃棄・回収

製品のライフサイクルを示した概念図です。PCFの算定では、どの段階までを対象にするかを明確にします。

重量が軽くても、環境負荷が小さいとは限らない

ECUは、電子基板を収める金属製の筐体、PCB、半導体、コンデンサや抵抗器などの受動電子部品で構成されています。重量の大きな部品ほど環境負荷も大きいと思われがちですが、Boschが紹介した分析では、必ずしもそうではないことが示されています。

ECUの構成要素 重量の割合 CO₂排出への寄与
機械部品・筐体など 50%超 15〜30%
PCB 約20% 10〜25%
受動電子部品 約10% 10〜30%
半導体 5%未満 35〜80%

出典:Bosch講演資料 P6。寄与率は製品構成によって異なり、すべてのECUに共通する数値ではありません。表中の数値は複数の製品における範囲を示しているため、上限値や下限値を足しても、1つのECUの内訳にはなりません。

参照元:Bosch P6|ECUの重量とCO₂排出への寄与
Bosch講演資料 P6:ECU構成要素の重量とCO₂排出への寄与のスライド全体

引用:Bosch講演資料 P6(スライド全体)

注目したいのは半導体です。ECU全体の重量に占める割合は5%未満でも、製造に伴うCO₂排出への寄与は35〜80%に達する場合があります。

小さな半導体の環境負荷が大きくなる理由

その理由は、半導体の製造工程にあります。半導体は、シリコンウェハの表面に極めて微細な電子回路を形成して製造します。

その過程では、薄膜形成、露光、エッチング、洗浄、熱処理など、多数の高度な加工が必要です。製品によっては、さらに複雑なパッケージング工程も加わります。

薄膜形成の模式図

薄膜形成

露光の模式図

露光

エッチングの模式図

エッチング

洗浄の模式図

洗浄

熱処理の模式図

熱処理

代表的な加工を示した概念図です。実際の製造では、多数の工程を組み合わせ、繰り返して回路を形成します。

これらの工程では、電力や薬品、特殊な材料などを使います。そのため、完成した半導体部品がわずか数グラムであっても、製造には大きな環境負荷が伴う場合があります。

一方、アルミニウム製の筐体などは重量が大きくても、リサイクル材料の使用や製造工程の改善によって、CO₂排出量を削減できる可能性があります。

つまり、「重い部品を減らせばCO₂も減る」とは限りません。製品の重さだけでなく、その材料や部品を製造するために、どれだけのエネルギーや資源が使われているかを確認することが重要です。

PCBには、材料・構造・工法を見直す余地がある

では、なぜPCBに注目するのでしょうか。半導体の製造工程は非常に複雑で、製造技術の変更にも大きな投資や時間が必要になります。

一方、PCBには、銅の使用量、基板材料、基板の厚さ、製造工程など、見直せる要素が複数あります。

紹介された分析では、PCBはECUの重量の約20%、CO₂排出への寄与の10〜25%を占めています。PCBの材料や構造、製造方法を改善することは、ECU全体のCO₂排出量を減らすうえでも重要な取り組みです。

2. リサイクルに加え、設計・製造段階から見直す

Boschは、製品の設計から廃棄までのライフサイクル全体で環境負荷を減らす考え方として、「10R戦略」を紹介しています。資源を有効活用する10種類のアプローチを体系化したものです。

Reduce

材料の使用量を減らす

Reuse

製品を再使用する

Repair

修理して使い続ける

Remanufacture

使用済み製品を再製造する

Recycle

材料を回収して再利用する

10R戦略のうち、本記事で取り上げる5つを抜粋しています。

例えば、ECUを廃棄せず、修理や部品交換によって再使用することも、その一つです。材料として回収する前に、製品として使い続ける方法を検討できます。

一方、半導体などの電子部品は小型で構造が複雑なため、材料を回収するだけでは十分な効果が得られない場合があります。

そのため、使用後の回収に加え、設計・製造する段階から、使う材料や製造工程そのものを見直すことも重要になります。

3. PCBの環境負荷を減らす3つのアプローチ

プリント配線板(PCB)の製造に伴うCO₂排出量を削減する方法として、材料や製造工程を見直す3つのアプローチがあります。

① 銅の使用量を減らす

基板の厚さや銅めっきの量を最適化することで、材料消費や製造時の環境負荷を減らす方法です。

紹介された研究事例では、PCBのPCFを最大約5%、コストを3〜5%削減できる可能性が示されています。

参照元:Bosch P11|銅の使用量と基板構成の見直し
Bosch講演資料 P11:銅の使用量と基板構成の最適化のスライド全体

引用:Bosch講演資料 P11(スライド全体)

② 環境負荷の低い基板材料を採用する

従来のハロゲンフリーFR-4から、リサイクル可能な低PCFのFR-4へ変更する方法です。基板材料をFR-4以外に置き換えるのではなく、同じFR-4でも、製造時の環境負荷が低い材料を選ぶアプローチです。

紹介された材料の比較では、PCBのPCFを約30%削減する結果が示されています。また、この材料を用いた多層基板について、一般的な車載向け信頼性試験に合格した結果も紹介されています。

参照元:Bosch P12|低PCF材料と信頼性試験
Bosch講演資料 P12:低PCF材料と信頼性試験のスライド全体

引用:Bosch講演資料 P12(スライド全体)

③ PCBの製造方法を変える

従来のPCB製造では、銅箔から不要な部分を取り除いて配線を形成する方法が広く使われています。

これに対し、必要な部分に銅を形成する「アディティブ工法」は、材料の無駄や製造時の環境負荷を減らす技術として注目されています。

紹介された開発事例では、資料に示された材料・製造条件で従来工法と比較し、PCBのPCFを約65%削減する可能性が示されています。この数値はアディティブ工法全般に共通する効果ではなく、講演時点で開発中の事例における比較結果です。

なお、これらの削減率はそれぞれ異なる比較条件で得られたものであり、単純に合計できるものではありません。

個別の事例で示された、PCBのPCF削減率

銅の使用量を減らす概念図

銅の使用量を減らす

最大約 5%
PCF削減

研究事例

基板材料を変更する概念図

基板材料を変える

約 30%
PCF削減

車載向け信頼性試験の結果も紹介

必要な場所に材料を形成する製造方法の概念図

製造方法を変える

約 65%
PCF削減

開発段階の事例

次章では、PCB製造の基本的な仕組みを確認しながら、サブトラクティブ工法とアディティブ工法の違いを詳しく解説します。

4. サブトラクティブ工法とアディティブ工法の違い

サブトラクティブ工法は、不要な銅を取り除く

PCBは、電子部品を電気的につなぐ配線を形成した基板で、その配線には主に銅が使われます。

一般的なPCB製造では、絶縁材料の表面に銅箔を貼り付けた「銅張積層板」を使用します。必要な配線部分を残し、それ以外の銅を薬品で除去して回路を形成する方法が、サブトラクティブ工法です。

サブトラクティブ(Subtractive)は、「取り除く」「差し引く」という意味です。板全体に銅が貼られた状態から、必要な回路だけを残して余分な銅を取り除くと考えると分かりやすいでしょう。

この方法は長年にわたって利用され、微細な回路形成にも対応できる成熟した製造技術です。一方、必要のない銅も最初に用意し、エッチングで取り除く工程が必要になります。

除去した銅を回収・再利用する場合も、その処理には薬品やエネルギーを使います。

アディティブ工法は、必要な場所に材料を付加する

アディティブ(Additive)工法は、必要な部分に材料を付加して回路を形成する方法です。サブトラクティブ工法が不要な銅を取り除いて配線を残すのに対し、アディティブ工法は必要な場所に銅を形成して配線を作ります。

例えば、銅インクを使う方式では、絶縁基板上の配線を形成したい部分に、銅を含むインクを印刷します。その後、銅めっきなどによって導体を形成し、必要な配線の厚さや電気的性能を確保します。

最初から必要な場所に銅を形成することで、不要な銅の使用や除去工程を減らせる可能性があります。

サブトラクティブ工法
不要な銅を取り除く

全面の銅箔から不要な銅を取り除き、配線を残すサブトラクティブ工法の断面概念図

絶縁基板と銅の関係を示した断面概念図
  1. 全面に銅箔を持つ基板を用意する
  2. 不要な銅を除去する
  3. 配線として使う銅が残る

アディティブ工法
必要な場所に銅を形成する

絶縁基板に銅インクを印刷し、銅めっきで導体を形成するアディティブ工法の断面概念図

絶縁基板・銅インク・銅を用いる方式の一例
  1. 絶縁基板を用意する
  2. 必要な部分に銅インクを印刷する
  3. 銅めっきなどで導体を形成する

材料と工程の見直しが、CO₂削減につながる

従来のPCB製造では、銅箔の製造、エッチング、薬品処理、洗浄、廃液処理など、さまざまな工程でエネルギーや資源が使われます。

アディティブ工法では、銅の使用量を抑え、材料の無駄を減らせる可能性があります。さらに、従来の工程の一部を簡略化できれば、薬品、水、電力の使用量を削減できる可能性もあります。

前章で紹介した約65%という数値は、資料に示された材料・製造条件における開発事例の比較結果です。ただし、アディティブ工法にも銅インクの製造、めっき、洗浄などの工程は必要です。そのため、削減効果は製造工程全体で比較する必要があります。

実用化には、環境性能と信頼性の両立が必要

アディティブ工法には、材料使用量の削減に加え、製造工程を効率化する可能性があります。一方、自動車向けPCBには高い信頼性が求められます。

自動車に搭載される電子基板は、温度変化、振動、湿気などの厳しい環境に長期間さらされます。そのため、工法の採用にあたっては、次の項目を十分に評価する必要があります。

  • 配線の密着強度
  • 導体の厚さ
  • 微細配線の寸法精度
  • 長期的な電気的信頼性

さらに量産では、製造コスト、歩留まり、生産性、品質の安定性も重要です。今回紹介されたアディティブ工法の開発事例でも、車載用途での実用化には、環境性能に加えて信頼性と量産性を確保することが欠かせません。

参照元:Bosch P13|アディティブ工法と開発状況
Bosch講演資料 P13:アディティブ工法と開発状況のスライド全体

引用:Bosch講演資料 P13(スライド全体)

5. PCFを比較するために揃えたい条件

ここまで、電子部品やPCBの材料・製造方法を見直すことで、CO₂排出量を削減する取り組みを紹介しました。実際に材料や工法を選ぶ際には、もう一つ確認したいことがあります。それは、排出量をどのような範囲と方法で計算したかという点です。

同じ「30%削減」でも、対象範囲が違えば比較できない

例えば、2つのPCBメーカーが、それぞれ「従来品と比較してCO₂を30%削減した」と発表したとします。

一方は原材料の製造からPCBの完成まで、もう一方は自社工場で使用した電力だけを計算していた場合、同じ30%でも、そのまま比較することはできません。

原材料の製造から、PCBの完成まで

算定範囲に含まれる材料調達

材料調達

算定範囲に含まれる輸送

輸送

算定範囲に含まれる製造

製造

算定範囲の終点となるPCB完成

PCB完成

自社工場で使った電力だけ

材料調達

材料調達

輸送

輸送

製造時に使用する電力

製造
電力だけ

PCB完成

PCB完成

算定範囲の違いを示した概念図です。各工程の排出量の比率を示すものではありません。

また、電力のCO₂排出係数、リサイクル材料の扱い、輸送工程の範囲などによっても計算結果は変わります。PCFを比較するには、対象範囲と方法を明確にし、共通のルールに基づいて評価することが重要です。

PCF評価と情報共有に関わる規格・枠組み

製品の環境負荷評価には、国際規格や業界共通のルールが活用されています。講演では、次のような規格・枠組みが紹介されています。

規格・枠組み 主な役割
ISO 14040 / ISO 14044 製品のライフサイクル全体にわたる環境負荷評価(LCA)の基本的な考え方と要求事項
ISO 14067 製品カーボンフットプリントの算定・報告
IEC 63366 電気・電子製品のライフサイクル評価に関する製品カテゴリルール
IEC 62474 電気・電子製品に含まれる材料情報の申告
IPC-1752A 電子製品の材料情報を標準化された形式で伝達するための規格
PACT / Catena-X サプライチェーンにおけるPCFデータの算定・交換に関する枠組み

Bosch講演資料 P14に掲載された規格・枠組みをもとに整理しています。

参照元:Bosch P14|PCF関連規格の全体像
Bosch講演資料 P14:PCF関連規格の全体像のスライド全体

引用:Bosch講演資料 P14(スライド全体)

これらは、すべて同じ役割を持つわけではありません。例えば、ISO 14067はPCFの算定に関わる規格ですが、IPC-1752Aは電子製品に含まれる材料情報の申告・伝達を目的としています。

IPC-1752AそのものがCO₂排出量を計算する規格ではありません。環境負荷の評価に必要な材料データを収集し、それを共通の方法で計算・交換することで、製品間の比較につなげられます。

共通のルールで、データを製品改善につなげる

規格や枠組みを活用する際には、まず評価範囲と方法を決め、必要なデータを集めます。そのうえで、データの品質を確認しながら、材料や製造方法の比較に使います。

  1. 範囲を決める:何を、どこまで測るかを明確にする
  2. 評価方法を揃える:共通のルールを使う
  3. データを集める:材料・工程・エネルギーの情報を把握する
  4. 交換・確認する:データの品質と追跡可能性を確認する
  5. 製品を改善する:材料・設計・工法を比較する

Bosch講演資料 P15をもとに、規格適用の考え方を再構成しています。

参照元:Bosch P15|規格を適用する手順
Bosch講演資料 P15:規格を適用する手順のスライド全体

引用:Bosch講演資料 P15(スライド全体)

サプライチェーン全体で情報を共有する

自動車には数多くの電子部品や材料が使われます。完成車メーカーが自動車全体のCO₂排出量を把握するには、ECUメーカー、PCBメーカー、半導体メーカー、材料メーカーなど、さまざまなサプライヤーからの情報が必要です。

そのため、各企業が共通のルールに基づいて情報を共有できる仕組みが重要になります。

これは環境報告書を作成するためだけの取り組みではありません。製品の設計段階で材料や工法を比較し、より環境負荷の小さい選択肢を検討するためにも役立ちます。

まとめ

自動車の脱炭素化は、EVへの移行や燃費改善に加え、電子部品やPCBを製造する段階にも広がっています。今回の講演で紹介された内容は、次の4点に整理できます。

  • 電子部品の重量とCO₂排出量は比例しない:半導体のように小さく軽い部品でも、複雑な製造工程によって大きな環境負荷が生じる場合があります。
  • PCBには材料・構造・製造方法の改善余地がある:銅の使用量削減、低PCF材料の採用、製造プロセスの見直しが、環境負荷を減らす選択肢になります。
  • アディティブ工法には削減の可能性がある:必要な部分に銅を形成することで、材料消費や製造時の負荷を減らせる可能性があります。一方、車載用途では長期信頼性と量産性の検証が欠かせません。
  • 比較には共通の評価ルールが必要:国際規格やデータ交換の枠組みを活用し、算定条件を揃え、サプライチェーン全体で情報を共有することが重要です。

電子機器の高性能化が進むなか、性能・品質・コストに加え、製造時の環境負荷も重要な設計・製造上の評価項目となっていくと考えられます。

電子基板をどう設計し、どの材料を選び、どのように製造するか。その一つひとつの判断が、自動車エレクトロニクスの環境負荷を減らす取り組みにつながります。

参考資料

Robert Bosch GmbH — Mobility Electronics
「サステナブルモビリティエレクトロニクスと低炭素PCBソリューション」
IMPACT 2026 講演資料
講演者:Jason Chau、Wolfgang Nüchter、Thomas Ewald、Dr. Udo Welzel

本記事は講演内容をもとに、一般読者向けの技術解説として再構成しています。紹介したPCF削減率や研究結果は、各事例の比較条件に基づくものであり、すべての製品や製造工程に共通する値ではありません。

図版・数値について

  • ECU画像は独自制作の説明用イメージです。QFN・PCB・製造現場にはAI生成画像を使用しています。特定製品・工場の実写や、数値の測定対象を示すものではありません。QFNはBTC(底面電極部品)の一例です。
  • 本文中の図解は独自制作の概念図です。製造工程は一部を示し、10R戦略は本文で扱う5つを抜粋しています。規格の適用手順は講演資料 P15をもとに再構成しています。
  • 重量とCO₂排出への寄与はP6、PCBの削減率はP11〜P13に基づきます。削減率は個別条件の事例で合算できず、約65%の事例は開発段階です。
  • 算定範囲の図は、排出量の比率を表すものではありません。
  • 参照スライドは、Bosch講演資料 P6・P11〜P15の各ページ全体を画像化したものです。切り抜き・書き換え・マスキングは行っていません。