インタビュー:【Jabil Circuit (広州)様】 はんだ付けロボット導入20年の軌跡 

2025年9月16日
事例インタビュー

Jabil Circuit(広州) ― ロボットはんだ付けによるスマート製造への道

世界有数のEMS(電子機器製造サービス)企業であるJabilは、世界中に100を超える工場を展開しています。その中でも広州工場は最大規模かつ重要な拠点のひとつです。2000年代に設立され、自動車用電子機器、民生機器、産業・エネルギー関連部品など幅広い製品を生産しており、特に自動車電子部品に強みを持っています。高品質と安定供給を求める顧客ニーズに応えるため、広州工場は常に設備を更新し、先端の自動化技術を積極的に導入してきました。その変革の中で、ジャパンユニックスの卓上はんだ付けロボットを導入し生産品質と効率の向上に役立てていただいております。


卓上ロボット UNIX-DF404S

現在、Jabil広州工場では50台以上のジャパンユニックス製卓上ロボットが稼働しており、高品質生産への揺るぎない姿勢を示しています。今回、当社は設備マネージャーにインタビューを行い、工場の運営モデル、複数の製品ラインにわたって品質を維持する方法、そして今後の課題にどう取り組んでいるのか、Jabil広州の設備マネージャーに伺いました。

世界水準の製造拠点を目指して

PCB製造ライン イメージ

Jabil広州の位置づけについて教えてください。

Jabil広州工場は2000年代の設立以来、EMS顧客にとって最も信頼される製造ソリューションプロバイダーを目指してきました。同工場の競争力は先進的な設備や技術に加え、品質への揺るぎない姿勢にあります。特に自動車電子分野では製品性能が人の安全に直結するため、業界で最も厳しい基準を満たす必要があります。

世界最高水準の設備と最適な製造プロセスを組み合わせ、顧客に最高の製品を提供することが目標です。品質は常に最優先であり、品質保証は企業存続の基盤、コスト管理は市場競争力の源です。

自動化導入前の課題

はんだ付けロボットを導入する前はどのような状況でしたか?

自動化を導入する以前、Jabil広州は大きな課題を抱えていました。まず、手はんだでは作業精度や一貫性に限界があり、安定した品質を確保するのが難しかった点です。さらに製品バリエーションが増えるにつれ、従来の手法では市場ニーズに対応しきれませんでした。加えて労働コストの上昇もあり、コスト構造を見直す必要がありました。自動化こそが製品の一貫性を担保し、長期的に労務コストを抑える最適解でした。

ジャパンユニックス卓上はんだ付けロボットの選定と導入

旧モデル卓上ロボット

どのような経緯でジャパンユニックスのロボットを採用されましたか?

自動はんだ付けソリューションを選定する過程で、Jabil広州は徹底的な検討を行い、最終的にジャパンユニックスの卓上ロボットを採用しました。柔軟なはんだ付けモード切替に対応できるため、多様な生産ニーズに適応できる点が評価されました。また、はんだ精度と一貫性に優れ、はんだ充填率は常に75~100%の範囲で安定。製品サイズの多様性にも対応できるため、複雑な生産環境にも対応可能です。


導入当初は機械の安定性や投資回収に不安の声もありました。しかし実際の稼働では、精度・安定性・柔軟性の面で手はんだを大きく上回り、チーム全体から高い評価を得ることになりました。

自動化による生産性向上:品質・安定性・管理面での改善

現在の取り組み、今後の展望を教えてください。

Jabil広州のスマート製造への歩みは現在も進行中です。今後のはんだ付けロボットの開発では、まずハード面ではさらに高度な自動化を実現し、より複雑なはんだ付け工程をロボットが自律的にこなせるようにすることを目指しています。ソフト面では「デジタルファクトリー」の概念を採用し、設備の相互接続やデータ収集を推進。ビッグデータ解析により生産ワークフローの最適化を図ります。


これからの工場、未来の工場は必ずデータ駆動型になります。より高度なネットワーク化とデータ収集を進め、設備性能をモニタリングし、予知保全を実現したいと考えています。

自動化導入を成功させるポイント

自動化お悩みの方々へ是非アドバイスをお願いします

自動化導入の経験から導入前に自社の生産ニーズを正しく把握するための自己分析が不可欠です。労務コスト削減や品質の一貫性向上を主目的とする場合は、投資回収の見通しを立てて経済合理性を確保すべきです。大量生産を担う企業なら、高度自動化設備を導入すべきですが、その製品が長期的に市場で安定需要を持つことが条件です。一方、多品種少量生産を行う企業は、柔軟性を優先して過剰投資や稼働停止を避ける必要があります。


さらに、自動化によって直接労働依存が減るとはいえ、高度な技術人材の育成は不可欠です。「機械が人を完全に置き換える」という誤解はありますが、実際には先端設備の運用・保守には専門スキルを持った人材が欠かせません。そのため、自動化管理能力を持つ人材教育こそが企業の将来成長の鍵となります。

まとめ

Jabil広州は、自動化を継続的に推進することで、品質・効率・コスト競争力を大きく高めてきました。その取り組みの中で、ジャパンユニックスの卓上はんだ付けロボットをご活用いただいています。スマート製造の時代が加速する現在、Jabilはデジタル化と完全自動化をさらに進め、世界の顧客により信頼性と効率性の高い製造ソリューションを提供し続けています。


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